◆混迷深まる大阪府知事選

11月28日 「ネットメディアおおさか」のブログより

http://hyakka.seesaa.net/article/69789849.html

08年1月10日に告示、同27日に投開票される大阪府知事選挙が、ここへ来て俄に混乱の度を噴出してきた。終わったばかりの大阪市長選挙につづき、再び激震に見舞われる見通しとなってきた。

3選を目指す大阪府の太田房江知事(56)は、この29日に「立候補表明」をする腹積りだったが、突如期するところがあったのか同表明を何と12月7日まで延期する意向を固めた。1日でも早く体勢を整えたい筈の知事が、こうした異様と思える意向を示したことで、その動揺振りを露呈する印象を世間に与えた。

少なくとも、前回の選挙の時の出馬表明が、告示に先立つこと4ヶ月前だったことを考えると、今回告示までほぼ1ヶ月前に迫った時点にまで出馬表明を延期せざるを得ないという事態は、極めて異常そのものだ。

この知事の出馬表明延期には、大きく分けて2つの理由がありそうだ。1つは、現在知事与党の自民・公明・民主3党の相乗り体勢が、果たしてそのまま継続し共同推薦を受けられるか。2つ目は、知事に集中している「政治とカネ」に対する批判が早期に鎮静化の方向に向かうか、その対策を講じるためだ。

順序を逆にして、2つ目の理由から先に触れたい。発端は、太田知事が883万円の高額講演謝礼を受け取った中小企業経営者らの任意団体所属21企業に対し、大阪府が338件総額約36億円の業務契約をしていたことが明るみに出たことからだった。

このうち契約金額が5億円を越えた2件は、太田知事が決済していたという(読売新聞11.21朝刊)。これは、正に講演会を通じての知事と業者の癒着疑惑だとして府議会各会派は一斉に反発、「知事の政治とカネ」との関りを追及する姿勢を強めだした。これ以前にも太田知事が東京の政治団体の事務所を親族の住むマンションに置き、月額5万円の賃料を払っていた問題も発覚しており、カネにまつわる疑惑はこれとも重なって広がった。

これが最大会派の自民党と公明党会派の間で、太田知事を3選に向けて「推薦できるかどうか」の決定的な疑念の火種になった。2つ目の理由である。

そこで1つ目の理由だが、上記問題が表面化する前の段階で、大阪市長選挙に勝利した民主会派は、その勢いを駆って一気に知事選まで制しようと、自公に先んじて太田知事の推薦を決める方針を一旦固めた。そして「自公の候補には乗れないが、民主の候補を自公が推薦することまでダメだとは言えない」と結果的に相乗りになることを容認する余裕の姿勢も示していた。

しかし、その直後に「知事のカネと政治」まつわる問題が発生。これを機に府民の反発の中で民主が突出して太田知事を担ぎ、知事選を先導することに自重を求める慎重論が会派内に出始め、いま静観を余儀なくされている。

一方、中央政治の代理戦となった大阪市長選挙で、民主に大敗した自公会派は、知事選で民主との相乗りは在り得ないとして、自民会派では独自の候補者探しを進める動きが出始め、テレビにも出て知名度のある私立大学の女性教授と比例区の女性代議士の2人に絞って、密かに出馬の打診を進めている。

しかも市長選挙の際、自公の推薦する現職市長の応援を保留していた太田知事が、当選した民主候補者に「当確」速報の直後に共にバンザイしたことが、自公両党から厳しく批判され、自公の太田離れに拍車を掛けた。そこへきて今回の「政治とカネ」の問題、太田知事への反発は頂点に達した恰好だ。

太田知事が出馬表明を延期したのは、こうした2要因が重なり合い、しかも非難轟々の与党の動きを看過できなくなったためで、止む無く延期の措置を取り、「表明」までの10日の間に3与党相乗り体勢を何としてでも固めたいとの意図のようだと、知事周辺関係者は苦衷を覗かせる。

このように大阪知事選挙は、「自公民の3与党」の相乗り体勢が崩れ、大阪市長選挙と同じ与野党対決の構図が再現する可能性は、激震の余波を考えると否定は出来ない。ただしその場合は、太田知事を民主が推薦し、自公が新人候補を擁立するというパターンの時である。

ところが、大阪知事選では共産党勢力が強く、かって共産党知事が誕生したことがある。だから3与党の間では3与党の枠組みが崩れて独自候補を立てる事態となった時に組織票が分散して、共産党の候補者を有利にすることになるという危機感が底流にある。

しかも与党サイドで追及する「カネと政治」の批判が、無党派層を共産票に流れさせてしまう皮肉な結果にも繋がりかねないとの
見方も出てきている。

こうしたことから、これからの10日の間は極めて流動的で、中央の構図を反映した市長選挙同様の「与野党対決」が再現するか、それとも「政治とカネ」という難問が沈静化で3与党会派の相乗りが固まり、共産府政を阻む戦いに挑むのか、知事周辺と3与党の10日間の動きは予断を許さない。(了)
チーム大阪勝手連: ◆混迷深まる大阪府知事選
http://www.team-osaka.com/article.php/20071130094014681