2007年11月19日 「ネットメディアおおさか」より
http://hyakka.seesaa.net/article/67507209.html
敢えて記しておきたいことは、与野党対決という党利党略の激突する中で、政党に頼らず無党派層に“大阪の現状危機”を訴え、新人ながら異例の9万票も獲得した元市大教授の橋爪伸也氏の存在だ。
今回投票率が43.61%と、市長選が単独選挙となってからの最高を記録したが、これは与野党対決旋風の所為ばかりではない。やはりどん詰りの大阪を政党に頼らず、都市再生の専門家に委ねたいと願った9万票が介在したことも見逃せせない事実だ。新市長は、こうした市民派の声に真剣に耳を傾けて貰いたい。
2007年11月19日
大阪市長選挙が18日投開票され、民主党、国民新党が推薦し社民党が支持する元民放アナウンサーの新人・平松邦夫氏(59)が、自民公明両党が推薦する現職の關淳一氏(72)らを破り、初当選した。
平松氏は、昭和22年に市長公選制になって以来、初めての民間出身の市長となる。
同市長選挙は、福田政権発足後初の政令都市市長選挙で、自公と民主が激突する与野党対決の色濃い大型構図となったが、先の参院選挙の勢いをそのまま維持し民主党が、この“対決”にも圧勝した形となった。
○投票結果は、
(当選)367058 平松邦夫(59)民主・国新推薦・無所属 新 317429 關 淳一(72) 自民公明推薦 無所属 現
113201 姫野 浄(72) 共産推薦 無所属 新
89843 橋爪伸也(46)無所属 新
昭和38年以来の政党対決となった今回の大阪市長選挙は、自公推薦の現職と民主推薦の新人との事実上の一騎打ちとなり、同時に連立与党と参院選で大勝した民主の激突という中央政界の代理戦争ともいえる様相を示した。
告示当日に起きた「民主小沢騒動」の激震で、一時は市民の間に白け冷風が吹きぬけたが、民主陣営では「この戦いは、迫る衆院選の勝利に繋げる前哨戦」として、来阪した小沢代表や鳩山幹事長ら党幹部が揺れた組織を引き締める一方、現職市長と離反していた市職労組や部落開放同盟などを陣営内の中核に据えてフル活動した作戦が功を奏した。
民主推薦の新人に敗れた自公陣営の有力幹部が、敗因は「参院選で大勝した民主党の風の“高留まり”がそのまま続き、民主党に寄せる期待感がなお強かったのを、自公の力で食い止められなかった」と自省する一方、關市長の2期目に手がけた市政改革の内容とこれからの方針が、市民の理解と評価が十分に得られなかったことも要因だと指摘した。
しかも、国会と訪米の日程があるにせよ、その間隙をぬって福田首相自ら来阪しなかったことも、市民の眼には市長選挙に取り組む民主党との温度差とし映り、これも集票に繋がらなかった一因ではなかったか、と同幹部は声を落とした。
平松邦夫氏は、当選確実となった直後のインタビューで、「大阪を再生させるため、あらゆる情報開示を行い、市民サービスを低下させないシンプルな政策を心掛けたい」と抱負を語った.
が、具体的な政策を進め方について聞かれると、「市庁に入って、有能なスタッフと共にこれから取りまとめたい」と述べるだけに止まり、依然「市政には素人」を売り物とする気懸かりな発言をした。
と同時に大阪市会との対応についても平松氏は、「いずれの会派とも、共同歩調と対決の両面で臨む」と楽観とも受け取られる考えを示した。しかし与野党対決で敗れた自公与党は、衆院選挙を控えて民主との対決姿勢を崩すことを視野に入れておらず、平松新市政は民主単独の少数与党による市議会運営を迫られることから、難航は避けられそうにない。
いずれにしても、民主党の追い風と現職市長の“身から出た錆”といわれる市政停滞批判に援けられて当選を決めた平松新市長だが、気になるのは選挙の争点となった市営地下鉄民営化問題、破綻寸前の財政再建策、大阪まちづくり計画、巨額赤字の第3セクター処理などの重要課題については、選挙中から明確にせず、すべて持ち越していることだ。
国政の代理戦争を背景に勝利した新平松市政は、待ったなしのこれら市政重要課題にどのように望むのだろうか。市民パワーを表看板に登場した新市政が、地に着いた市政運営に実を付け出すのは何時のことだろうか、与野党対決決着の戦塵の燻る中で、はやくも懸念を寄せる声が高まっている。
敢えて記しておきたいことは、与野党対決という党利党略の激突する中で、政党に頼らず無党派層に“大阪の現状危機”を訴え、新人ながら異例の9万票も獲得した元市大教授の橋爪伸也氏の存在だ。
今回投票率が43.61%と、市長選が単独選挙となってからの最高を記録したが、これは与野党対決旋風の所為ばかりではない。やはりどん詰りの大阪を政党に頼らず、都市再生の専門家に委ねたいと願った9万票が介在したことも見逃せせない事実だ。新市長は、こうした市民派の声に真剣に耳を傾けて貰いたい。(了)